ダーニングハウス / 即興変更1

リノベーションでは、解体してみたら想定と違っていた、という箇所が必ず出てきます。

解体時に図面と異なる箇所を見つけた場合、検討→図面修正→施主確認→現場指示という流れをスムーズに行うことで工事は滞りなく進んでいきます。

現場サイドからすると、できるだけ早く仕様や寸法をFIXし、段取りや発注を迅速に正確に進めたいに決まっています。もちろん設計サイドもそれは重々承知しているのですが、現場が進むにつれ「ん?」という違和感のようなものを感じ「変更しようかな?」という気持ちが湧き上がってしまうこともあります。

金額や工程に影響なく、その場でパッとできてしまうことは、その場でパッとお願いしてしまいます。しかし、それでは済まされない変更を思いついた場合、言うべきか言わざるべきか悩みます。

今回の工事では2箇所について、工務店にはあまり良い顔をされない即興的な現場変更をお願いしました。

1)キッチン上部の垂れ壁の高さについて

設計契約時のCG(リビング→キッチン〜ダイニング)では、垂れ壁高さは既存LDK入口ドア(左の黒いドア)の高さに揃え、スッキリとした印象になっています。

現場では床下地が完了し、初めて実際の天井高さを体感した日、ドアの高さ(垂れ壁高さ)に「ん?」となりました。大工さんには「垂れ壁の下地を少し下に伸ばしておいてくれたら嬉しいな〜」 とお伝えし、Hさんには週末の現場打ち合わせを依頼しました。

数日後の現場。垂れ壁の下地は少し長めです。まだ高さを調整できます。

キッチン側からダイニング〜リビングを見た時のCG。

キッチン側に立った時に見える現場の景色。垂れ壁高さを写真の下地の位置まで下げると、キッチンからの視界が狭まることがわかります。キッチンとリビングダイニングは別空間という印象になります。

奥さんにとっては毎日眺める台所からの景色。急遽、現場で検証して頂きました。結果はコチラ!

キッチンに立った時、LDKが一体的、開放的に感じられる方が「心地いい」ということで、最初のCG通り(原設計通り)の高さになりました。結果的に変更はありませんでしたが、とても重要なプロセスだったと思っています。

現場で垂れ壁高さについて違和感を感じた際、断熱施工や2階の寝室等の作業を先行しても問題なさそうだったので、現場監督と奥さまにスケジュールの相談をしました。急な話でしたが、現場に迷惑をかけることなく、奥さんにとってより心地のいいキッチンにすることができました。

次回のBLOGでは「即興変更2」についてお話しします。