本とともに暮らす家 / 家づくりの領域
家を建てるには、設計の前に先ずは敷地が決まっている必要があります。「そらそうでしょ〜」という声が聞こえてきそうですが、実はこれがそう簡単にはいかないこともあるんですね〜。
土地をこれから購入しようとする場合は、敷地境界が確定していることがほとんどですが、親や祖父母が持っている土地を敷地にしようと思った場合、意外と境界が確定していないことも多いんです。
今回のプロジェクトでは、隣地との民民境界はもとより、青地と呼ばれる国有地との境界、横浜市から位置の指定を受けた私道との境界、磯子区所有の枯れた水路の境界、それらすべてが確定していませんでした。
初めは普通に「家の設計」のご依頼でした。ところが、設計の前にまず「敷地確定」が必要で、そためには「私道確定」が必要で、そのためには「水路確定(届出+立会い)」が必要で、そのためには私道の上に在る塀の解体と樹木の伐採・抜根・移設が必要で・・・といった具合に一筋縄ではいかない課題が複雑に絡み合っていました。
境界確定には土地家屋調査士さん、塀の解体と植栽の移設と私道の舗装は造園屋さん、建物の解体は解体屋さん、それぞれの専門家は思い当たるのですが、誰がそれを取り仕切るのか?お施主さんが??できるのか???
結局、お施主さんから「ディレクション業務」という名称で、取りまとめ業務のご依頼を頂きました。
正直なところ、一級建築士の業務領域を超えているので、お引き受けして良いのか?ご迷惑をおかけしてしまうんじゃないか?という思いもありました。ですが、他に適任者も思い浮かばず、結局お引き受けしました。
お施主さんと初めてお会いしたのが今年の1月。それから5ヶ月、お施主さんとご両親、お婆ちゃん、土地家屋調査士さん、解体屋さん、造園屋さんと協力し、ようやく敷地を確定できる目処がたってきました。いよいよこれから立会い、という段階ですが、8月中旬に予定している建築確認申請に何とかギリギリ間に合いそう! ふぅ〜〜
クライアントにどれだけ寄り添えるかが試されましたが、何とか期待に応えることができそうです!
※上の写真は境界を確認しながら立ち話をする解体屋さん、造園屋さん2人、土地家屋調査士さん、小嶋の図。皆が立つ路地は横浜市から指定を受けた4m幅とされるの私道。