Barbourハウス / レンガタイルをめぐる冒険
いよいよレンガタイルの施工です。
今回レンガタイルを採用した理由は、Barbourコートのように風合いのある壁をつくるためです。なので、ただレンガタイルを張っただけでは綺麗過ぎてしまいます。こぢこぢの家のレンガタイルのように、タイルを貼った後に表面を削り込み、レンガタイルの中身(ボディ)の色を出したいと考えました。
ところが、ただでさえ高価なレンガタイルをさらに削るとなると予算的に厳しくなります。TLCアソシエイツの木皿さんに相談してみると、予算の範囲でできる方法を提案してくださいました。
中央の濃いグレーのタイル(4セット)がBarbourハウスで検討したサンプルです。
左上:標準的な仕上げ(いい感じだが、ちょっと綺麗過ぎる)
右上:目地を太くしてみた(明るい印象になるかと試したが野暮ったい印象)
左下:表面を優しく削ってみた(木皿さん提案。いい感じ。少し明るい印象)
右下:目地を少しだけ太く、より白い色の目地材に(目地が強過ぎる)
左下のサンプルがすごくいい感じだったので、こちらで進めることにしました。
ただ、あくまで小さなサンプルでのこと。実際の大きな壁で見るとまた違った印象になることもあるので、タイルを削る日は小嶋も立ち会うことにしました。せっかくなので、この壁を毎日眺めることになる施主のTさんにも立ち会って頂くことにしました。
(なんか違う・・・と後で言われないためにも^^;)
〈施工スケジュール〉
0日目:下地処理としてセパレーター(金属の突起)削り
1日目:下地モルタル2回塗り+レンガタイル張り
2日目:目地詰め+水拭き
(乾燥期間2日)
5日目:酸洗い(タイル表面の余分な目地材を塩酸で洗い落とす)
6日目以降:タイル削り(小嶋とTさんの立ち会い)
タイル削りの前まではごく一般的な工程のはずですが、目地詰め作業日の夕方に木皿さんから電話がありました。「今から写真を送るので、とりあえず見てみてください。酸洗いして良いかの確認です」と。
電話を受けた時は、まだ目地が乾いていない状態で写真を見てもな〜と思いながら「見てみますけど、基本的には予定通り酸洗いして良いと思います」と返事をしました。
その時送られてきた写真がコチラ↓
ん!
これは・・・・・凄く良い!!!
そこには人の手ではつくり出すことのできない本物の風合いがありました。
早速、木皿さんに「すごく良いですね!!!」と電話をすると、しめしめといった感じで「やっぱりそうですよね〜。小嶋さんならそう言うと思ってました」と、嬉しそうな声が返ってきました。
(大変失礼しましたm(_ _ )m)
1)酸洗いせずにそのままにする
2)酸洗い後、タイル表面を削る(予定通り)
3)2面あるレンガタイル壁を上記1と2、別々の仕上げにする
という選択肢が出てきましたが、小嶋ひとりで判断できることではありません。たまたま目地の乾燥期間の2日間が土日だったので、Tさんと一緒に現場で確認することにしました。
その時の写真がコチラ↓
タイル表面に付いた白いモワモワの感じを比較すると、リビング側の方が水拭きをした手の痕跡がシャープに残っている印象でした。
(写真で見るよりも実際は結構気になりました)
そこで、ダイニングキッチン側は酸洗いせずそのままとし、リビング側だけ酸洗い後、タイル削りを行うことにしました。
いよいよタイル削り当日。
まずはあまり目立たないワークルーム内から削ってみることにしました。
(天井の鉄骨の左側がワークルーム、右側がリビング)
壁全体を自然な感じに仕上げるのは想像以上に難しい作業でした。
それでも、試行錯誤しながら慎重に進めていくと、何となくそれっぽい感じに。
ワークルーム側を削ったところで、一旦、仕上がりを確認。
リビング側は酸洗いで落ちきらなかった白いモワモワが少し残っていたので、削らない方が良いと判断しました。
これにてBarbour wallは完成です!
◇
当初予定していた削りタイルの範囲はワークルーム内のみとなりましたが、偶然現れた本物の風合いを生かせたことで、Barbourハウスらしい唯一無二の壁を生み出すことができました。
それもこれも木皿さんの感性とTさんの柔軟な対応力の賜物です!
本当にありがとうございました!
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