Barbourハウス / お施主さまインタビュー
Interview
「ここまでこだわり切れるとは!」
固定観念が吹き飛んだリノベの世界
中古リノベの可能性に衝撃を受けて
「いつかは注文住宅を」と思いながら、毎週、テレビの住宅番組を楽しみに見ていたTさん夫妻。ある日、こぢこぢ一級建築事務所の実例が放映されて目を奪われ、数年後にまた 同社の違う実例が登場した際に心を決めた。「設計を依頼するならココしかない!と思いました。小嶋さんがつくる家はデザインや空間の好みが自分たちにピッタリで、他の選択肢を考えられなくなったんです」
オーダーキッチンは憧れのサブウェイタイルをあしらって。インダストリアル感のある配管とあらわしの天井もお気に入り
それまで分譲住宅からリフォーム済み中古マンションまで、幅広く家づくりを検討したが、すでにあるものではつまらない。納得できる空間にするには、一戸建てしかないと感じていた。事務所を訪ねて率直な思いを小嶋さんにぶつけると、意外にも提案されたのは中古マンションを買ってリノベーションすることだった。
「最初は気乗りしませんでした。でも小嶋さんが、予算やエリア、こだわりたいデザインのことなどを丁寧にヒアリングしてくれて。多角的な視点で要望を聞いてもらっているうちに、漠然としたイメージが整理されていきました。すると徐々に、自分たちが “本当に必要としているもの” が見えてきたんです。こだわりたいのは、一戸建てではなく自分たちらしさなんだ、って」。マンションリノベでも理想が叶えられるかもと思い始めたTさん夫妻。それが確信に変わったのは、小嶋さん自ら設計した自邸を見学したときのことだった。
小嶋邸を参考にタイルのアクセントウォールは唯一無二の “もわもわ仕上げ”に
バルコニーに面したリビング。左手の間仕切りにはL字の大窓を設け、隣室のワークルームと緩やかにつながる間取り
「中古リノベでここまでできるんだって衝撃でした。実は、4人家族のマンション住まいだと狭そうだし、子どももどんどん大きくなるし、長く住むにはどうかなと思っていたんです。ところが小嶋邸は、家族の成長に合わせて間取りを変えたり、部屋の使い方を変えたりできる。2人の子ども部屋も確保できる。デザインもこだわれて、居心地のいい空間で……。こんなふうに暮らせるんだと目からウロコ。驚きと同時に自分たちもこんな家がいい!と、完全に意識が変わりました」
子供の学習やテレワークに使用しているワークルーム。LDKにいる家族とコミュニケーションを取りやすく、通風・採光も得られる
左:キッチンからワークルームを望む / 右:玄関で靴をしまい、コートを掛け、ファミリークローゼットへと抜けられる家族専用動線
初期段階で漠然とした思いが明確に
中古リノベに対する意識がひっくり返ったTさん夫妻。予算面でもマンションリノベはベストな選択だったという。「当初は予算のことをあまり考えていなかったので、注文住宅か一戸建てのリノベーションを希望していました。でも内装とエリアにこだわると現実的ではない選択だと、早い段階で認識できたのは、小嶋さんのアドバイスと紹介してくれた ファイナンシャルプランナーさんのおかげです」
左:床は無垢材、壁はスイス漆喰。メリハリをつけた予算配分で家具や建具など細部まで思い通りに / 右:寝室は将来2部屋に分割可能
初期段階で資金計画や要望の優先順位が明確になったので、物件の契約時も迷いがなかったのだそう。「漠然として言葉にできないイメージを、僕たち以上に小嶋さんが理解して、的確にデザインや間取りに反映してくれたんですよね。以前は間取りも通気も悪くて“居たくない家”でしたが、この家はストレスゼロ。それどころか、一日中、楽しめる家だから、寝坊したらもったいないと思うようになりました」
「作業や片付けがしやすく。夫婦並べる広さのキッチンになったので、以前はストレスだった料理が今では趣味に!」
南東向きのLDKは、大窓から爽やかな朝日、日中のまばゆい光、夕景を経て夜景へと、陰影のグラデーションに染められる。「太陽や季節の移り変わりも自然素材の味わいも、この家で知った心地よさ。特にオークの無垢床材は、夏でも足触りがサラッとしていて経年変化も楽しみに。私たち家族と一緒に変わっていく姿に愛着が湧くし、子どもがコマ回しで傷つけても『ま、いっか』とおおらかな気持ちにさせてくれます」
ホームパーティーや節句のお祝い、ベランダでのプール遊びと、やりたかったことが全てできるようになり「案外、ほどよいサイズ感」だったと実感しているTさん夫妻。「この家で自分たちのこだわりをやり切った! だからでしょうか、リノベして全てが新しいのに不思議と落ち着くんですよね」。Tさん夫妻の肌に馴染む雰囲気に仕上がった住まいもまた、時と共に色濃く変化していくのだろう。
text:Yukari HIGUCHI photo:Ayako MIZUTANI
所在地:神奈川県川崎市宮前区
構造:RC造(ラーメン 築17年)
延床面積:71.28㎡
既存竣工年:2003年7月
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