ギリギリ釣れた!スチール黒皮
スチールの仕上げに「黒皮仕上げ」というのがある。
黒皮をざっくり説明すると、形鋼を製造する際に生成される黒い皮膜のこと。通常は黒皮のガビガビを落として赤い錆止め塗料を塗ってから色の付いた塗料で仕上げるのだけど、黒皮の無骨なテクスチャーをそのまま生かしてクリア塗装するのが黒皮仕上げだ。
こぢこぢが好んで使う仕上げだが、これがなっかなか手ごわい。
なんせ偶然できる味なので、ガビガビが「え!!!」っていうくらい粗いときが稀にあるからだ。
今回、黒皮仕上げのTV台を注文している鉄骨業者から連絡があり「こんなんですけど、良いんすよね?」と写真が送られてきた。(写真中央シマシマのやつ)
NOォォォ!!!
何だこの見たことないくらい粗いガビガビ感・・・これはさすがに・・・でも、材料は電話一本で工場から出荷されてるものなので、「ガビガビが少ないのを送ってください」なんていう注文は受けてくれない。それはわかっている。業者さんに落ち度はない。でも、再注文したところでまた同じガビガビがくる可能性もある・・・。製作予定日は明日一日・・・忙しい鉄骨業者さんの予定はしばらく先まで埋まっている。時刻はすでに夕方6時。とにかく黒皮のスチール材が置いてあるホームセンターに行ってみるか?黒皮はとても錆びやすく、ホームセンターに置いてあるやつは大抵錆びている。どうする小嶋?
考えてる暇はない。とにかくホームセンターへ電話だ!
黒皮スチール材の扱いはあるのか?必要な量が置いてあるのか?
数件目でギリギリの量が置いてるお店が見つかった。急げ俺!
電話ではそれなにり錆びているけど、わりと綺麗な方だという話・・・とにかく信じるしかない。
そして・・・・・
そうそう、一応、レジに行く前にお施主さんの携帯に写真を送って電話確認。
「写真の送り先を間違えたかと思って普通にスルーしちゃいましたよ。そういう事情でしたら、もちろん材料代は追加でお支払いしますので素敵な方でお願いします。色々とありがとうございました。」というお返事。
もし電話が繋がらなくても買ってたけど、余計な出費がかさんだお施主さんの口から感謝の言葉が聞けて嬉しかったな。本当に理解のある素晴らしいお施主さんだ!
しかし俺っていったい何屋なんだろ・・・
そんなことどうだっていい。
とにかく良いものを作ってお施主さんに喜んでもらいたいだけだ。