ダーニングハウス / Classic→Simple

要望書を巡るHさんとのやりとりです。

―――Hさん―――
私たちが求めているのは「上質な空間」です。High qualityという意味ではなく、Classicという意味です。Classicといっても古典的・アンティーク・レトロといった意味でもありません。本質的、不自然ではない、また流行りすたりの無いスタイルのことを指しています。

―――小嶋―――
こぢこぢが家や家具を作る際「Simple」ということを意識しています。Minimalという意味ではなく「ものの有り様として自然」という意味です。要素をできるだけそぎ落とし、線を一本でも減らし、抽象的に見せるために、時間やコストをかけて、水面下で複雑なことを行う。それはSimpleではありません。(Minimal建築そのものを否定している訳ではありません)

といっても、ビスやボルトがやたらめったら見えてしまうのは美しくありません。ビスやボルトや棚受けや照明コード等の2次部材の選定やしつらいをどうやったら美しく、自然に感じるかを常に考えながらデザインをしています。

少し話が脱線しますが、車のバンパーという部品は、元々はぶつかる前提の交換できる部品だったと思います。今の車は軽量化のためにバンパーが樹脂でできていますが、鉄のボディと同じ塗装が施され、バンパーを目立たせないようにしているデザインが多いです。僕は昔のミニクーパーやワーゲンビートルのバンパーのデザインが好きです。

建築において、巾木はバンパーと全く同じ機能のものだと考えています。スリッパも掃除機もぶつかるし、季節によって収縮する無垢床の動きをカバーするための部材です。ですので、ご要望がない限り、こぢこぢでは巾木をつけることを標準としています。(巾木の高さは空間のスタイルによって30mmにすることもあれば、敢えて120mmにすることもあります)

「心地いい」は理解するものではなく、五感で感じるものだと思いますが、例えば、壁に気をつけながら「そ~」と過ごしたり、子供が自由に走り回ることを必要以上に注意することは「心地いい」とは言えないように思います。

とりとめのない話になってしまいましたが、Hさんがこぢこぢにお声がけくださったのは、上記のような考え方をWORKS写真からお感じになったからなのかもしれません。Classicのお話を聞いて、そう思いました。

―――Hさん―――
ご返信頂いた内容を見て、こぢこぢさんと出会えたことは自分達にとって本当に幸運だったと思います。

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こぢこぢがデザインする上で大切にしている根っこの部分。Hさんに共感して頂けて、とても嬉しく思いました。

*少し分かりづらい話なので、これまでお話する機会がありませんでしたが、せっかくなのでこの場を借りてお話させて頂きました。

次回はいよいよプレゼンです!
(といっても昨年11月のことですが・・・)